No5 舞鶴引揚記念館
1945年(昭和20)第二次世界大戦の終結にともない、当時海外に残された日本人は660万人以上ともいわれています。これらの方々がすみやかに帰国できるようにするのが当時の重要な戦後処理の施策の一つでした。これを引き揚げといいます。 舞鶴港は、政府が指定した引揚港の一つ(博多・佐世保・田辺・仙崎など)として、1945年10月7日引揚第一船の入港から1958年9月7日の最終船まで、実に13年間の長きにわたり、その使命を果たしてきました。とくに1950年以降は唯一の引揚港となりました。
舞鶴港には、主として旧ソ連邦(現ロシア)や中国などの大陸からの引揚者を迎え入れました。13年間で66万4531人、1万6269柱の遺骨を受け入れました。
記念館の正面入り口には、“全世界の人々と相携え…不断の努力を傾注しなければならない”と宣言した「平和の誓い」モニュメントが設置されています。館内は1階1フロアで1時間程度で見学できます。最初のコーナーでは、引き揚げの歩みと激動の歴史が当時の新聞記事や写真で紹介されています。次に、シベリア収容所の厳しい抑留生活を紹介するコーナーから“岸壁の母で有名になった引き揚げの様子、肉親の再会、帰らぬわが子・夫を待つ人びとを紹介します。国家が起こした戦争に個人が犠牲になる視点での戦争告発といえます。
そして、注目したのは「中国引揚漫画家の会」という団体の存在です。著名な漫画家が“ボクの満州”と題して漫画が展示されています。横山孝雄・ちばてつや・赤塚不二夫など著名な漫画家が引揚者として満州国時代の生活を描いています。
コーナーの最後が中国「葫藘島(ロコ)からの引揚」展示です。1946~48年のあいだ集中して中国の葫?島からの引揚者が多く、その展示となっています。
実はレポーターの故義父が1946年、ここから帰国したとの話、満州から逃げ帰ってくる苦労話を聞いたことがあり、感慨もひとしおで、写真などに食い入ってみてしまいました。
舞鶴引揚記念館には、JR小浜線「東舞鶴」駅路線バス約20分 入館料400円
右手の海岸に引揚船が着岸
所在地
〒 625-0133 京都府舞鶴市字平 引揚記念公園内
TEL 0773-68-0836
FAX 0773-68-0370
MAIL qikh28102@hera.eonet.ne.jp
開館時間/ AM 9:00~PM 5:30(入館はPM 5:00)
休館日 / 12月29日~翌年1月3日
入館料 / 大人 300円(20人以上の団体 200円)
学生(小学-大学) 150円(20人以上の団体 100円)
■共通券 一般個人 400円・学生個人 200円(引揚記念館・赤れんが博物館に入館いただけます。)
■入館料割引 障害者割引あり(5割減額)