《ウクライナのザポリージャ原子力発電所近隣でのロシアによる戦闘行為に強く抗議する》
「非核の政府を求める大阪の会」は3月5日、「ウクライナのザポリージャ原子力発電所近隣でのロシアによる戦闘行為に強く抗議する」声明をロシア大統領宛に送付しました。
ロシア連邦
大統領 ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン 殿
ウクライナのザポリージャ原子力発電所近隣でのロシアによる戦闘行為に強く抗議する
非核の政府を求める大阪の会
3月4日、ウクライナ南東部にある欧州最大のザポリージャ原子力発電所で4日未明、ロシア軍の攻撃により火災が発生していると、原発に近いエネルゴダール市長が明らかにした。
送電線を狙ったものという報道もあるが、その通りとすると原子炉停止時の緊急炉心冷却に必要な動力が断たれてメルトダウンという危険な事態になる。原子炉そのものが破壊されたとすると、原子炉格納容器そのものの破壊につながり、この場合もメルトダウンにつながるヨーロッパ規模での放射能汚染をもたらす。
チェルノブイリ、福島第一原発の事故を想起するまでもなく、原発事故は広範囲に放射性物質をまき散らし、その収束のためには何世代にもわたって管理をしなければならない大惨事であり、「想定外」や「過失」という言い訳が許されない絶対に起こしてはならない事故である。
ザポリージャ原子力発電所の火災がどの程度のものか詳細は不明であるが、今回の火災が仮に大きな事故とならなかったとしても、一歩間違えばウクライナとロシアだけの問題ではすまない事態となるものであり、原発近隣での戦闘行為など許されない蛮行である。
非核の政府を求める大阪の会は、核兵器使用、威嚇に反対するのみならず、核兵器使用と同じく放射線被害の危険のある原発についても反対するものであるが、原発の近くで原発に被害を与えかねない戦闘行為に、強く抗議をするものである。
なお、ロシア軍は今回のウクライナ侵略の初期段階でチェルノブイリ原発の占拠を行っており、原発についての対応を意識的に行っているふしがある。今回の行為もまた、「想定外」でも「過失」でもなく、「故意」に原発を標的にした戦闘行為であったのであれば、それは核兵器の使用と同じ意味をもつもので、全人類に対する邪悪極まる犯罪行為であることを指摘しておく。
今回の原発周辺での戦闘行為がどのような経緯で行われたか局地的事情は判然としないが、少なくとも今回の戦争はロシア政府が一方的にウクライナ国内に侵攻し、ウクライナ政府を武力で転覆しようとした軍事侵略の一環であり、ロシア政府に責任があることは明白である。当会はロシア政府に対し、直ちに攻撃を中止し、全ての兵をウクライナから撤収することを再度、強く求めるものである。
2022年3月5日
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