NO11 浄土真宗本願寺派僧侶 永江武雄
ブッダ釈尊は、「生きものを(みずから)殺してはならぬ。また(他人をして)殺さしめてはならぬ。また他の人びとが殺害するのを容認してはならぬ。」と説き、また仏教徒が最低守るべき「五つの戒」の第一に「不殺生(殺すな)」(岩波文庫『ブッダの言葉』)と、説かれています。ここに仏教の平和の立場が示されています。しかし浄土真宗をはじめとする仏教教団や、他宗教教団のほとんどはかつての侵略戦争を「聖戦」と美化し、積極的に協力加担しました。多くの教団はそのことに反省を表明し、現在も靖国問題や安倍自公政権がたくらむ改憲の策動に批判的態度を表明しています。
我が国の宗教者の有志は、所属宗教・宗派の違いを越えて、全国・各都道府県に宗教者平和協議会や宗教者九条ネットワークなどを組織して活動しています。大阪でも、夏の広島平和大会現地における「平和を祈る断食」、「三・一ビキニデー」や「安倍九条改憲NO!三〇〇〇万署名」等の取り組みに積極的に参加しています。
戦争は、「世界平和」「生命を守る」等の甘い言葉を掲げて忍び寄ってきます。その典型が安倍自公政権が推し進める、アメリカ言いなりに戦争する国作りの策謀です。
二〇一七年に国連において採択された歴史的な「核兵器禁止条約」に、安倍首相は不参加を表明しています。これが唯一の被爆国である日本の首相かと怒り心頭の思いです。
私が住んでいる大阪府島本町の議会は、一九八七年七月に「(前略)島本町は、平和を愛する文化都市として、世界のすべての国が「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則を厳守し、そして私たちの町の将来を担う子供達の未来が戦争のない平和な社会で、豊かな暮らしができるよう願い(後略)」と、「核兵器廃絶・平和都市宣言」を採択。
町議会への請願代表者をつとめた私は、非核平和を求める思いをいま新たにしています。