No11 東京・横綱町公園と江戸東京博物館(両国周辺平和散策)

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 JR両国駅前にユニークな建物が目に入る。東京都江戸東京博物館である。江戸東京の歴史と文化について、復元模型などを通して学べる博物館である。 筆者が訪問した時も、複数の小学校の見学者たちと一緒見てまわった。5階の常設展示室の「東京ゾーン」の一角にそれがある。「空襲と都民」の展示コーナーである。昭和20年3月の東京大空襲の展示である。ありがたいことに“写真撮影”が許可されていることである。ここでの展示は、東京を襲った戦禍の悲劇を中心に構成されていて、展示物を含めて深みに欠ける感は否めない。

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博物館をあとにして徒歩五分程度のところに東京都横綱町公園がある。この公園は、「被服廠跡」とか「東京都慰霊堂」とか「東京都復興記念館」とも呼ばれている。そのいずれもこの公園の歴史を物語っている。
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大正11年、東京市(まだ都政を布いていない)は陸軍被服廠の移転に伴い、跡地を買収し公園の造成を進めていた。その最中の12年9月1日、関東大震災が起こった。周辺の人びとは造成中のこの公園に避難をしてきたが、運び込まれた家財道具に飛び火し、折からの風速17mの強風に燃え広がり、多数の焼死者を出す悲劇が起こった。その結果、遭難者の霊を供養し、東京の復興第事業を記念するために公園内に慰霊堂と復興記念館が建てられた。その後、東京大空襲の犠牲者である一般戦災者の霊も安置することになり、現在にいった。
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東京都慰霊堂には、関東大震災による遭難死者約5万8千人と東京大空襲(3月10日)の殉難者を含めて約16万3千人の遺骨が納められている。
さらに公園の「東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑」(下)の横には、「朝鮮人犠牲者追悼碑」がある。関東大震災の混乱のなか、政府のデマ情報に恐怖感をおぼえた民衆による朝鮮人・中国人への虐殺による犠牲となった人々への慰霊碑である。

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復興記念館は入場料は無料で昭和初期のレトロな建築物である。館内には震災及び戦災の記念遺品や当時の状況を伝える絵画、写真、図表などが展示されている。屋外の周辺の庭には、「震災祈念屋外ギャラリー」があり、震災での熱地獄を物語る遺物が展示されていた。
 なお、この公園では毎年3月10日と9月1日に慰霊法要が行われている
横綱町公園

公益財団法人 東京都慰霊協会 横網町公園管理所
〒130 -0015 東京都墨田区横網2丁目3番25号
電話:03 -3622-1208

江戸東京博物館
住所
〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1
アクセス
JR総武線 両国駅西口下車 徒歩3分
都営地下鉄大江戸線 両国駅(江戸東京博物館前) A4出口 徒歩1分
都バス錦27・両28・門33・墨38系統、
 墨田区内循環バス
 「すみだ百景すみまるくん・すみりんちゃん(南部ルート)」  
 「都営両国駅前(江戸東京博物館前)」下車、徒歩3分
電話番号
03-3626-9974 (代表 ※午前9時~午後5時30分)
開館時間
午前9時30分~午後5時30分(土曜日は午前9時30分~午後7時30分) 
入館は午後5時まで。(土曜日は午後7時まで)
※入館は閉館の30分前まで

休館日
【2月】2月3日・10日・17日・24日
【3月】3月3日・10日・17日・24日 ・31日

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