京大複合原子力科学研究所見学会のお知らせ

(3月末までは京都大学原子炉実験所)

複合原子力科学研究所の一般公開が、今年も4月7日(土)午前10時から午後4時まで熊取町の京大複合原子力科学研究所で行われます。尚、同じ日に、原子燃料工業の施設見学と大阪府熊取オフサイトセンター施設公開も行われます。
非核大阪の会では、原子炉の施設を実際に見て実態を知る良い機会と考え、毎年案内、2015年より「非核大阪の会」として団体で申し込みを行っています。参加ご希望の方は、3月16日(金)必着で、住所・氏名・電話番号を電話かFAX、メールで非核大阪の会までご連絡をお願いします。最寄の駅(JR熊取)に集って見学後、桜の木の下でお弁当持参で交流もしたいと考えています。

詳細はこちらから (PDF版)
詳細はこちらから (word版)

 

京大複合原子力科学研究所(今年3月末までは京大原子炉実験所)、原子燃料工業熊取事業所、大阪府オフサイトセンター見学会へ参加して

今年の京大複合原子力科学研究所(今年3月末までは京大原子炉実験所)、原子燃料工業熊取事業所、大阪府オフサイトセンターの見学会への参加者は11名。うち初参加者は4名でした。
今年は、運転中の原子燃料工業で、実際にペレット加工工程の一部(ウランの粉末をプレス➜焼結➜研磨➜検査➜完成)が見学出来(約10年ぶりの実施)、また、京大複合原子力科学研究所では、従来の原子炉のほか、今まで行ったことのなかった「イノベーションリサーチラボラトリ」のFFAG加速器も見学しました。
桜の開花が例年より早かったため、「満開の花の下で」とはなりませんでしたが、それでも八重桜を見ながら昼食と交流、楽しい一日を過ごすことができました。

DSCN3846.jpg

DSCN6582.jpg

熊取スタンダードを福島や全国の原発周辺へ

ピースに声を!実行委員会事務局(元 大阪市立中学校教員)  増井茂美

4月7日(土)、非核の政府を求める大阪の会主催の京大熊取原子炉見学会に行ってきました。
私は、ピースおおさかリニューアルの2年ほど前から、その動きに憂うる団体や個人が、「ピースに声を実行委員会」を作り、その事務局メンバーをさせてもらっていました。非核の会も当初からここでも積極的に動いてくださり、そのお付き合いの中で参加させていただきました。
この熊取の原子力関連施設には3つの顔がありました。一つ目は、京都大学の「複合原子力科学研究所」(旧「原子炉実験所」からこの4月1日から改組)で、実験用原子炉と中性子発生装置棟(ライナック棟)が主要設備であり、戦後の大学の民主的な流れを受け継いで、原子力の平和的な研究と利用を主軸に半世紀余り動いています。2つ目は、原子力燃料工業株式会社熊取事業所で、日本の原子力発電所で使用するペレット(ウラン燃料そのもの)を製造し、全国の稼働している原発へ出荷しています。(ここでは、加圧水型用のペレット。沸騰水型は、同じ会社の東海市の事業所で製造) 3つ目は、大阪府熊取オフサイトセンターで、府が運営主体だが、国の原子力規制委員会が大きくかんでおり、原子炉があるところには必ず事務所があり、ちなみに、東大阪に近大の原子炉(1WAT)があり、オフサイトセンターもちゃんとある。
3つのどこの職員、関係者からも、「福島の原発事故の教訓を踏まえて、2度と繰り返してはならない。被爆は避けよう」「核兵器の製造や核戦争につながるようなことは絶対にしない」と言う思いは十分に伝わってきた。見学者にも、放射線被ばくなどができるだけないように、十分すぎるほどのステップとレクチャーがあり、周辺や地域住民を第一に運営している。しかし、3つの施設は、その性格が根本的にちがう。そのことも踏まえて、関係者すべてが真剣に取り組んでいるかと言うと、「No」と言わざるをえない。
なぜ、「No」か。この間の新聞でも、「32年後も原発維持」というとんでもない発言が普通に報道されている。そのような認識の枠内ならば、十分すぎるほど「Yes」だろう。原子力燃料工業株式会社熊取事業所は、ペレットを生産し、各地の原発はこの工場がないと動かない。政府諸機関が、原発の再稼働を認めても、ここが止まれば……。京大原子炉は、実験炉と言う特色を生かして、医療や様々な分野で多くの成果を上げてきたが、研究のいくつかは「安全な原子炉」「安全な核燃料サイクル」とのきわどい崖っぷちに思えた。オフサイトセンターも、大規模な原発とここの実験炉では、明確にスタンスを変えるべきなのに、どうも、「悪しき一律」に思えた。
熊取は、この原子力諸施設を誘致することで、町の財政も潤い、快速電車も止まり、住宅地、学園都市として新たに発展することができ、まさに「安全、安心、快適」な街になった。原子力施設周辺住民が安全、安心で暮らせることを、この熊取の住民が実感する基準で、全国の原発や、福島の被災地にあてはめたらどうなるだろうか。熊取の「安全、安心、快適」を全国に、そんな思いを3つの施設の職員全員がもっていただければと思った。
私も含めて「原子力の平和利用」という理想や夢もあったが、福島の原発事故、プルトニウムの難しさ、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核とミサイル問題で、今までの常識がことごとく覆されてきた。さらに、フェイクがふつうのように、マスコミやネットで流される世の中で、かなり危うい諸説が平気で流される。「実際に行ってみて、いろいろな人とふれあい、聞いて、考えて、……」の大切さを改めて感じた1日でした。
1日、丁寧に案内してくれた、非核の会の方、元職員や教官であった岩本さん、松山さんありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

Follow me!