NO1 日蓮宗 妙徳寺住職 大阪宗教者平和協議会理事長 髙木孝裕
日蓮宗はビキニ環礁での水爆実験で被爆された第五福竜丸の久保山愛吉さんが犠牲になられ、日本国民の怒りが国内に沸騰し、原水爆禁止の運動が盛り上がる中で、宗教者としてじっとしておれないという気運が上がり団扇太鼓を打っての全国縦断、唱題行脚(折鶴行脚)が実施されました。
宗門機関として立正平和運動本部が設置されました。今も有志の立正平和の会が活動しています。毎年八月六日広島で、生命を選び取る断食を行っています。
日蓮大聖人は報恩抄の中で、「日蓮が慈悲広大ならば、南無妙法蓮華経は万年の外、未来までも流るべし日本国の一切衆生の盲目を開ける功徳あり無間地獄の道をふさぎぬ。此の功徳は伝教天台にも超え龍樹が一葉にも勝れたり極楽百年の修行は穢土一日の功に及ばず。正像二千年の弘通は末法の一時に劣るか是れ日蓮が智の賢さにはあらず時のしからしむるのみ春は花咲き、秋は果なる夏は暖かに冬は冷たし時の然らしむるにあらずや」と申しておられます。
諸法実相抄には、鳥と虫とは鳴けども涙落ちず、日蓮は泣かねども涙ひまなし、この涙は世間の事にはあらず、但法華経の故なり、と申しておられます。
日蓮聖人の言葉の中に与同罪という言葉があります。人が危害を加えられているのにあった時、何もしないことは同罪という考えです。
この世に自分一人が良ければ好しとせず、世界全体が救われなければという宗教家としての大聖人の教えがあります。日蓮大聖人の流れをくむ一人の宗教者としてありたいと思って平和運動にかかわらせて頂いています。
日蓮宗 妙徳寺住職 大阪宗教者平和協議会理事長 髙木孝裕