汚染水の海洋放出に強く反対します

 2021 年4 月13 日、政府は関係閣僚会議において福島第一原子力発電所のタンクに溜まる汚染水について海洋放出の方針を決定しました。

 本会はこの決定に対し強く抗議するとともに海洋放出を絶対に行わず、タンクの大型化等による陸上保管を継続することを強く求めるものです。


内閣総理大臣  菅 義偉  様
東京電力株式会社 代表執行役社長  小早川 智明 様
大阪府知事  吉村 洋文 様

 2021年4月22日


汚染水の海洋放出に強く反対します。


非核の政府を求める大阪の会 常任世話人会

 

 2021 年4 月13 日、政府は関係閣僚会議において福島第一原子力発電所のタンクに溜まる汚染水について海洋放出の方針を決定しました。

 本会はこの決定に対し強く抗議するとともに海洋放出を絶対に行わず、タンクの大型化等による陸上保管を継続することを強く求めるものです。

 この汚染水にはALPS で除去できないトリチウムだけではなく、他の放射性物質が7割のタンクで残っているとの報道がなされており、安全性が全く確保されていないものであります。また汚染水の海洋放出を巡っては福島県内外で猛烈な反対があり、福島県議会を始め、県内の自治体議会の7 割が反対・慎重の決議を出しているなど、福島県民の理解や納得は到底得られていない状況にあります。地元の意向を無視して被害者に対してさらなる困難を押しつけることなどありえないことです。

 今回の放出に際し政府は法令基準以下に放射性物質の濃度を希釈するといいますが、どれだけ濃度を薄めても、海洋に放出される放射性物質の量に変化はなく、海洋汚染の程度は何ら変わらないものであります。「タンクが満杯だから」という安易な理由で海洋放出を行うことは到底許されるものではありません。現在の科学的知見に立って、大型タンクの建設やトリチウム分離技術の開発等あらゆる手段の検討を行うべきであります。

 なおこの件に関し、吉村大阪府知事は環境基準を満たすのであれば海洋放出を容認すべきであるとし、政府からの要請を前提に「処理水」の大阪湾への放出を検討するという従前からの主張を繰り返し、「覚悟がなければこの場で発信しない。腹をくくったと言うことだ」と語ったと報道されています。

 「処理水」=汚染水にはトリチウム他、放射性物質が含まれているのであって、何らの科学的検証もないままに汚染水がさも安全なものであるかのように知事たる者が発信をすることはあまりに無責任と言わざるを得ません。海洋放出は、地球的規模で海洋を汚染するものであり、福島であろうと大阪湾であろうと許されるべきものではありません。また大阪湾は、明石海峡と紀淡海峡の2箇所の開口部を持つ閉鎖性海域であり、放射性物質の海洋放出がされるなら、放射性物資は長く湾内に滞留することとなり、漁業従事者を始め多くの関係者の事業や生活を脅かすこととなります。

 「政府からの要請を前提」と逃げ道を設定した上で近隣自治体や漁業関係者等への何の配慮もせず「覚悟」「腹をくくった」などと大見得を切ることはパフォーマンス以外のなにものでもなく、今なお原発事故の被害を受けている被災者の気持ちを踏みにじるものです。また汚染水問題が安易に解決できるものであるかのように印象づけることにより、政府や東電の放射性物質流出についての責任を免罪するものでもあります。

 現在COVID19 が蔓延し、医療崩壊の状態にある大阪府の知事においては、感染症対策についてこそ「覚悟」を持ち、「腹をくくった」対応をするべきです。

 非核の政府を求める大阪の会は、政府、東京電力に対し正面から福島の真の復興に向き合うことを求めるものです。同時に大阪府知事に対しては原発事故被害を利用するパフォーマンスはやめ、まずは大阪府内におけるCOVID19 禍に対する対策に全力で取り組むことを求めるものです。

以上

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