NO12 水野 喬(釈雅音・しゃくげおん)

8月6日と私

私は、全くの在家の人間ですが、かつて広島に在住していた時に、浄土真宗安芸教区の僧侶の方がたと知り合い、お導きにより親鸞様にお逢いすることができました。

広島は、私にとって大事なところです。

40年間近く、広島の民間放送で番組作りの仕事をしていました。

だから、広島の地で、原爆について学び、広報するとともに「ヒロシマ」とカタカナで表現される運動の実践にもタッチしていました。8月6日を中心とする「核兵器廃絶運動」には、進んで加わりました。核兵器廃絶を求める平和行進や座り込み、ビラまきなどにも参加しました。

運動としては被爆、アオギリ二世の苗木を広める運動に関わっていました。

8月6日を前にすると一段と反核・平和のことが心の中心を占めてきます。

仕事上、あちこちへ出張することもありました。縁があって遠くカリブ海のドミニカ共和国やその隣国のハイチなどでも「ヒロシマ」をアピールしました。この地域の人々も核廃絶に関心を持ち、8月6日を中心に反核の行事を重ねていました。

ヒロシマから来た僕に関心を示し、会を開いて僕の話を熱心に聞いてくれました。

浄土真宗との関係は、原爆被爆50年にあたり、安芸教区が催した大きな行事にイベントディレクターとしてかかわらせていただいたことです。その中で教区の僧侶の方々から刺激と教えを賜り、多くのことを学ばせていただいたことがきっかけです。

そのご縁からお導きを受け、同朋に加えていただきました。

教義は、中央仏教学院の通信教育などで学ばせていただいた者です。そしてご縁に依り宗徒に加えていただきました。

職場では、仕事のかたわら、労働組合活動や平和運動にも加わり、地域の方々に教えをいただきました。

その中で労働者の権利であるストライキをめぐって手錠・腰縄の刑事事件被告人にされ、労働者の権利を守り、確立する闘いに10年近く関わりました。

15,000円の罰金刑で有罪となりましたが、一連の闘いで親鸞聖人のみ教えを更に深く学ばせていただいたと思い、その処遇にむしろ感謝しております。

その中で労働者の権利確立と親鸞聖人や蓮如上人のみ教えを自分なりに結び合わせ、一つの力とさせていただき、苛烈な闘いを乗り超えることができたと考え、報謝の念しきりです。先師から「信念を貫く」というみ教えを賜ったと思います。

広島に住み、非核平和の課題と向き合う機会の多かった所為(せい)か、安芸教区の僧侶の方がたのお導きにより親鸞様のみ教えと非核平和の課題とを結びつけながら、教義に学び、実践に勤しみました。

その後、転居し当地に住んでいますが、引き続きご縁により大阪宗教者平和協議会の活動に加えていただき、ご指導をいただいております。

やはり、究極的には、世界の平和、人類の安寧なくしては、自分も「平安」ではないのではないかという考えから、非核平和の問題との結合、関連を学び、希求しております。

そしてまたヒロシマ・ナガサキの問題を自らの信仰の課題として掲げ、心を寄せております。

毎年、8月6日には、広島へ赴き、多くの方々と共に慰霊と反核の集会に加わり、一念仏者として、この世界から核兵器を全滅・廃棄させたいと願っているものです。

今年もそのように過ごします。

 

2019年6月14日(金)

水野 喬(釈雅音・しゃくげおん)

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