新年のご挨拶  2021年

 2017年7月7日に採択された核兵器禁止条約は、昨年10月24日、ホンジェラスの批准により、批准国が50ヵ国に達し(署名国は12月10日時点で86ヵ国)、2021年1月22日に発効することが決まりました。

核兵器禁止条約は、条約発効後1年以内に第一回締結国会議が招集されることとなっています。締結国会議は条約の適用、実施や核軍縮のための検討を行うものです。また昨年COVID-19の世界的流行により延期となったNPT再検討会議も今年開催される予定となっています。今年は核兵器廃絶の運動において大きな契機となる年です。

ところで、今私たちはCOVID-19の全世界的流行という全人類的課題の真只中にあります。グローバル化した現在社会では、一地域で発生したウィルス被害は瞬く間に全世界に広がることを私たちは経験しました。そしてウィルス禍を解決するには全人類的な協力、相互援助が必要であることを今痛感しているところであります。

昨年ニューヨークで開催されることが予定されていた、原水爆禁止世界大会では核兵器廃絶とともに気候危機についても重要なテーマとして取り上げられました。気候危機もまた、地球規模で環境に悪影響を及ぼしている人間の活動をいかに制御するかという全人類的課題であります。

気候危機、そしてCOVID-19等新型のウィルスの脅威など、全人類の叡智を結集して、相互に協力して取り組むべき課題が私たちの前に幾つも突きつけられています。人類は共通の生活基盤である地球の中で協力し合わなければならない運命共同体であります。「狭い地球」の中で核兵器を突きつけ威嚇して、他国よりも少しでも優位に立とうとする核兵器固執、核抑止論の愚かさは益々明らかになっています。核兵器に固執し無意味に敵対することに神経を注いでいるうちに、私たちの「地球丸」は沈没してしまいかねないのです。

核兵器禁止条約発効の年、2021年が、核兵器廃絶への第一歩の年となるだけでなく、核兵器廃絶以外の諸問題においても、よき一歩を踏み出す年となることを祈って、念頭のご挨拶と致します。

 

Follow me!