積み木を重ねたような木造建築の総合庁舎をはじめ、町の公共施設は可能な限り町の木材を使用しているとのこと。庁舎の入口には「小さな発電所プロジェクト」の太陽光パネルがありましたが、これは、自分の出来ることからはじめようと、8月に講師を招いて、子ども達が中心になり、3日間かけて手作りでパネルをつくって、町のあちこちに設置しているそうです。これなら、大層なことを考えずに私たちにも出来るのではないかと、このプロジェクトを始めた四万十市の元市議・佐田さんのお話を興味深くお聞きしました。
町の総予算40億円の内、町民税は3億円ではあるけれど、環境基金を創設して、このような小さな事業にも全額補助を出し、各家庭の太陽光発電パネルの設置にも独自に20万円の補助を行って、現在設置率は20軒に1軒を超え全国屈指。
電柱が1本もない美しい街並み、地熱を利用した温水プールや温泉の運営、町を貫く清流、檮原川(四万十川最大の支流)の6メートルの落差を利用して作られた小水力発電は、最大53kwを発電し近くの小中学校の電気を供給しているとのこと、また杉の間伐材を利用して木製ペレットを製造、冷暖房に活用するなど、コストはかかるけれど、徹底した低炭素なまちづくりに感動の連続でした。
2日目は、佐田さんの案内で、標高1300mの四国カルスト台地へと向かいました。そこは、牛たちが草をはむ雄大な草原で、町営の風車2基が風を受けて回っていました。年間380万kwの電力をつくり、四国電力に売ることで、昨年は3500万円の収入があったとのことです。
今後2050年までに40基に増設して自然エネルギー100%にする計画とのこと。
ただ、近くに伊方原発があり、今回の福島原発事故のようなことが起きると、ここも確実に汚染されることになり、この事業そのものが成り立たなくなるだろうと話されていました。また、このような町の姿勢を町民の95%が賛成しているが、今後は、自らの意思で取り組んで行くことが大切だと話されていたことがとても印象的で、大切なことだと思いました。ハードな行程でしたが、自治体の役割と姿勢の大切さを学ばせてもらった二日間でした。(谷本)
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