原水爆禁止世界大会

2018年 原水爆禁止世界大会(広島)の報告

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被爆者の想いをうけて
非核国、NGO、市民団体、個人の共同の力で
核兵器廃絶、北東アジアの非核化にむけて大きなうねりを


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 2018年の原水爆禁止世界大会が開催されました。今年度の世界大会は、核兵器禁止条約成立一周年、米朝首脳会談で朝鮮半島の非核化を求めるうねりのなかで開催されました。大阪からは三五一名の代表団が参加し、大会成功に大きく貢献しました。
 とくに大きなうねりを象徴することとして、「総がかり行動実行委員会」の福山真劫共同代表による連帯のあいさつです。「総がかり」の代表としてですが、「原水禁」の活動家であり、「平和運動・民主主義運動は、分裂の時代から共闘の時代へと新しいステージに立っています。・・・すべての市民・野党が連携・連帯してたたかう必要があります。共同・共闘のなかにこそ未来があります」とのあいさつには、会場から万雷の拍手がおこりました。
 世界大会は、「国際会議宣言」、「広島からのよびかけ」が採択されました。
分科会以外に政府フォーラムや特別集会が二つ開催されました。沖縄をテーマにした集会と「非核平和の朝鮮半島とアジアー日本の役割」の特別集会です。
米国のジョゼフ・ガーソン氏は、米朝首脳会談を評価し、対話を通じてのみ非核化はできない、北朝鮮の約束を守らないこれまでの姿勢に不信感をもつ世論があるが、米国側の約束不履行が数々あると主張。北の核政策は米国の対応に応じて変化してきたものと、また韓国のパク・ソクミン氏は南北宣言の重要性を強調し、韓半島の平和・非核化が宣言されたことは、全世界の非核化への第一歩であり、シンガポール宣言後の動きを通して信頼関係の改善がすすみつつある、今日韓市民は対決構図をかえるチャンスで世界史の舞台にたっている、と主張。
 久しぶりに参加した中国の代表は「持続可能な安全保障」論を強調。日本の川田忠明氏は、日本人は北の脅威を七割の人びとが抱いている、一方韓国は四四%で、日本の安倍首相より北の金正恩の萌芽好感度が高い、と紹介。私たちの外にいる七割の人びとに働きかけることの重要性を強調された。将来、このパネラーに日・中・韓・北・米が並んで立つことを期待している、と結びました。
韓国の若者たちが特別発言し、参加者一同の熱い声援と共感が渦巻きました。

世界大会に参加して

 私にとって、はじめての広島であり、はじめての原水爆禁止世界大会でした。
 1日目は到着から開会まで時間があったので広島の町を探索がてら会場までいき、時間があったので原爆ドームを見に行きました。教科書やテレビでは、何度となく目にしてきたヴィジュアル。しかし、生でみると、規模、構造、壊れ方、全てが今まで思っていたのとは違い、ものすごい衝撃を受けました。陳腐な、詩的な物言いをすれば、「人はここまで、残酷になれるのか」と。崩れた壁材、むき出しになった骨格材。核の爆風、熱線を真上から受けたが故に姿をとどめたという因果。きっと彼(原爆ドーム)は、僕らの未来に生まれ、生きる僕らに核の惨事を伝えるために、その姿をとどめてくれたのではないかとすら感じました。
無意識に、原爆ドームを見たときすごい圧力を感じ、被曝者、原爆で死んでいった人々、殺してしまったアメリカ人、あらゆる人々の意識、思いに涙が出ました。「こんなに衝撃を受けるんだ、ただ史跡をみただけで」と、最初はそう思いました。しかし心の底にこびりついた思いが蓄積していき、澱となって、きっと今。涙となって現れたのではないかと思います。

 その後の大阪府代表の集まる会は、今まであったシリアスな緊張は、いい意味で吹き飛び、知り合いは少ないけれどアットホームな雰囲気で少し不安が薄れ楽しく感じられ、少しずつ大会に向け気持ちが高ぶっていく瞬間を感じました。

 迎えた全体会では、最初は「どんなものかな」って思っていましたが、大きな体育館を埋め尽くすほどの人で、思っていたよりも大きな規模で驚きました。海外代表団の発言もあり、核の問題を世界でこんなにも広く取り組まれていること、本流がこちらにあることを実感しました。中でも労働組合の中にも「なんで平和のことを言わないといけないんだ」という人もいるらしいけれど、こうして反核や平和の取り組みに参加する人たちがいるのは、素晴らしく、心強いと感じました。

 夜は「Ring!Link!Zero!2018」に参加し、ほかの国の若いアクティヴィスト達と会うのは初めてで、核の問題は広島や日本だけの問題じゃないんだなぁと感じました。イギリスの青年は、「軍事に使わず大学にお金を使え、と運動している」と発言があり、「核兵器禁止条約のことは一切知らされない。次の世代には自分たちの活動がかかっている」と言っておられたのは印象的でした。日本は被爆国として核兵器禁止条約に率先して関わって、参加していくべきだと思います。アメリカの核の傘に入っているからと言って、日本が物言えないのは本当におかしい。そこは割り切って、ポーズでも、アメリカに対して、核保有国に対してしっかりと批判してほしいです。
 2日目は、岩国基地調査行動分科会に参加しました。並ぶ場所がわからず、案内してくれる方に聞くと「日本の方ですか?」と聞かれる珍事件がありました。
はじめて目にする日本国内の米軍基地に、少なからずの感動がありました。ちょっと離れた都市部には、タトゥーショップや英語の看板、中古車販売店のドル表記などを目にして、名残が残っているようでした。

いい意味でなく、ああ、旧来の植民地主義が残ってるんだなぁ、という絶望や恐れが勝る感じ。もちろんそれもアメリカ文化としてみるならば興味深く、ある意味面白いとも感じました。
 また、米兵向けの住宅街も紹介してもらいました。入居率は数十%くらいしかなく使われていない住宅がたくさんあるそうです。また、ゲート前の橋には、戦車が通れる強度にするために8億円がかけられ、球場やバーベキュー場があるなど、すべてにおいて優遇される米兵、米兵個人を憎む訳ではないけど、米兵には特権があることを感じた瞬間でした。自分たちが一銭も払わずに生活ができる、ぼくたちも払っている税金を「享受する」特権が、日本のシステムにはあるんだと思いました。
 終わりはお昼ご飯と観光がてら、錦帯橋へ。一通り見たあと、体を冷やそうと足を川へ入れて休憩。立ち上がろうとしたとき、石の表面の藻に足をとられ、川にハマる二度目の珍事件も。あ~夏らしいなぁ、外国の観光客に本気で心配され、恥ずかしかったです。夜は、大阪平和委員会の青年メンバーと一緒に交流して、楽しい夜を過ごしました。

 3日目の朝、式典はテレビで見ていました。唯一戦争によって他国から核攻撃を受けている国なのに、一切核兵器禁止条約に触れない安倍総理。安倍総理が、本当にいつも通り、無難なことばかりいう中で、広島市長の平和宣言には、73年間、積み上げて更新し続けられていることを感じました。政府・メディアは、北朝鮮ばかり怖いと言っているけれど、アメリカも核を持つ国だということは忘れてはいけないと思いました。
最後の閉会総会では、各国の報告があり、一番印象に残ってるのは小池晃氏の演説でした。「核禁止条約」の文脈で安倍総理に“あなたはどこの国の首相なのか、という演説には痺れました。あの会場にいただれもが思っていたことだろうと思います。いままで全員が思っていた漠然とした批判が、彼という依代を以て具現化した雰囲気を肌で感じました。
 また、韓国の代表団の方の朝鮮人の被爆者の方にもふれていたことも大事だったと思います。オバマ元大統領が広島にきたときに、日本に謝罪があっても韓国、朝鮮人には謝罪がないという言葉には納得しました。日本に連れてこられて強いられた強制労働、そのせいで地上戦や戦略爆撃(空襲)や原爆の攻撃に巻き込まれた人たちがいて、何の落ち度もない人々が命を奪い去るのが戦争であり、原爆だと怒りが湧いてきました。そして、そんな戦争や原爆の語られる実相を若い女性が、絵にして伝えているという話を聞き、自分はプラモデルや模型をつくることが趣味で、そんな活動もできるのではないかと思いました。資料館や学習が矮小化され、戦争が美しいものと語られることが増えているなかで、より鮮明でリアリティのある“戦争は恐ろしいもの”ということを、伝えられる一人になりたいと思いました。

 今回、初めて広島に、そして世界大会に参加することができ、感動や原爆の脅威を肌で感じられました。本当に参加できてよかったです。改めて今回、代表として派遣していただいた「非核の政府を求める大阪の会」の皆様に感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

20180815 (N)/手記


原水爆禁止2014年世界大会に参加しました

豊島達哉

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 8月5日、広島で開かれた原水爆禁止世界大会フォーラム「核兵器全面禁止のために-政府とNGOの対話」に参加してきました。
 来年のNPT再検討会議に向けて、同会議で核兵器廃絶への具体的な動きを作るためには国際政治の場で何が求められているかを、核兵器廃絶のため国際社会で積極的役割を果たしている政府代表と、NGO(具体的には原水協)とが議論交流するフォーラムでした。
 政府代表として参加されたのはオーストリア外務省軍備管理不拡散局長のアレクサンダー・クメント氏、駐日メキシコ大使館臨時代理大使アルマンド・アリアガ・オチョアテギ氏。原水協からは同理事の高草木博氏、司会は新婦人事務局長の米山淳子氏でした。
 クメント氏は、核兵器廃絶の課題は安全保障の面(例えば核抑止論)から語ることのみならず、人道的側面から語ることが極めて重要であると指摘しました。そして人道的側面から核兵器廃絶の必要性を訴える時、NGOの役割は大変大きいものがあるとも指摘されました。また、オチョアテギ氏もまた、人道的側面から核兵器の存続は認められない旨発言があり、高草木氏からも人道的側面からのアプローチは草の根からの運動が非情に重要であることが強調されました。
 人道的側面とは具体的にどのようなものを指すのか、これは参加者にとって当然のことであったのかもしれないし、また、このフォーラムは核兵器廃絶のための政府代表とNGOとの対話が目的だったので、その内容まで踏み込めなかったのかもしれませんが、ノーモアヒバクシャ訴訟の弁護団の一員である私としては、核兵器の非人道性を明らかにするには被爆者の体験(被曝時や被爆直後の体験だけではなく、その後69年被爆者として生きてきた体験)をしっかりと受けとめ、広めていくことが極めて重要なことではないかと考えました。
 高草木氏も発言で原水爆廃絶の運動は、被爆者達が訴え続けてきたことが、日本国内のみならず世界世論を動かしてきたことを指摘されました。
 核兵器はなぜ廃絶しなければならないか、その理由として核抑止論が有効性を持たないことも、使用するならば地球環境に大きな影響を与えることも、また核兵器を保持し管理すること自体にも大きな負担がかかることや、管理においてミスがあれば取り返しのつかない事故も起こりうる等、いくつか重要な指摘をすることができますが、原点はやはり、それが非人道的なものであることです。国際的な世論を更に高め、核兵器固執勢力を包囲する一番の力は、核兵器の非人道性を全世界で草の根から訴えることにあるということだと思います。そのために、ヒロシマナガサキのあるこの国に暮らす私たちの責任は大きいものがあると改めて確信しました。
 フォーラムでは会場発言として、インドネシア国連代表部の方や、イギリス、アメリカからの参加者からも発言があり、マスコミの利用の仕方等についての意見が出されたり、また全国各地での様々な取り組みが紹介され(署名活動、職場や学園等での取り組み)、パネリストも含め、参加者全員が元気になるフォーラムだったと思います。

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