年頭のご挨拶

 核兵器禁止・廃絶の運動にとって、昨年は重要な年となりました。まず7月7日、国連において122ヶ国の賛成で核兵器禁止条約が採択されました。この条約は、核兵器を明確に違法であると宣言した初めての条約であり、核兵器の開発・実験・製造・備蓄・移譲・使用・威嚇等、核兵器にまつわるあらゆる行為を禁止し、さらに核兵器の廃棄の道筋も示した画期的な内容の条約でした。
 またこの条約の前文では被爆者が受けた苦痛・危害に留意することや核兵器廃絶に向けた被爆者やNGO・宗教者・学会等の行動を明記しており、この条約が被爆者をはじめとした国際的世論や市民運動の努力の結実であることが強く意識されたものとなっています。
 そして国際的な核兵器廃絶に向けた世論や行動が核兵器禁止条約採択の大きな力となったことが評価され、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞したことも誠に意義深く、喜ばしい出来事でした。
 この条約は調印と批准が50ヶ国に到達した時から90日後に発効しますが、既に調印した国は55ヶ国を超え、今年中の条約発効が確実なものとなっています。

 この条約が発効することは、核廃絶運動にとって大きな力となります。例え核保有国や核の傘の下にある国々がこの条約に調印していなくとも、核兵器が違法であることを明示した国際条約が発効するならば、核兵器を保有し続け、また核抑止論にすがろうとする勢力の非人道性はますます明らかになるのであり、核兵器廃絶に向けた大きな一歩を国際社会が歩み出したことは明らかです。
 このような国際情勢の中でわが国は唯一の戦争被爆国でありながら、核兵器禁止条約に背を向けています。国連においても、ノーベル平和賞授賞式においても、核兵器廃絶・平和を願う世界の市民からは現在の日本政府の立場に対する失望の声が上がると同時に、日本にこそ、核兵器禁止・廃絶の運動の主導的役割を果たして欲しいとの期待ももたれています。
 非核の政府を求める活動は、国内に留まらず、国際的にも重要な活動であることを再認識し、ますます当会の活動を充実させたいと考えています。