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検証

「ドイツはフランスから電力を輸入している?」を検証する
OHT86_bokusourolltoaozora.jpg1、「仏→独電力輸入」問題を内外のマスコミはどう報道しているか
2、ドイツの研究機関、シンクタンクによる電力輸出入のレポート。三例
3、日・独両政府の社会的責任と知的水準を考える    安倍首相の政治責任は重大 
4、私の結論


世界は領土問題をどう解決しているか
AMEd4s74_do.jpg 2016,1,15 平和問題研究家 長尾正典
  世界の領土問題は、大小あわせて「すくなくとも114件の領土問題が存在する」(毎日新聞2013,1,1)とか、「40以上」(週刊東洋経済2012,10,6)と言われてきた。最近では西沙諸島・南沙諸島をめぐるベトナム・フィリピン、中国の主張、日本と中国間の尖閣諸島問題、係争中のものでは、カシミール地方の領有問題、韓国の主張している「離於島(イオド)」問題、長引いているイギリスとアルゼンチン間の「フォークランド諸島」問題などがある。


北朝鮮の人工衛星、ミサイル・ロケットに関する基礎データ
thumbnail.png  北朝鮮は、今年に入って「水爆実験」(1月)、「地球観測衛星の打ち上げ」(2月)に続いて「中距離ミサイル・ノドン」の発射(3月)、さらに核弾頭爆発実験、弾道ミサイル発射を予告するなど、世界はその行動に振り回されている感があります。この機に乗じて自・公政権は、「戦争法廃止で日本は守れない」と言い、マスコミも「日本全土を射程に収める開発に成功」(産経)などと喧伝しています(3月21日時点)。この問題を考えるため、おそれず、あなどらず、冷静沈着に対応するため、いくつかのデータを整理してみました。


陸も海も汚染したセラフィールド原子炉事故
20110917sellafield.jpg  福島原発大災害によって、いまなお、10万人をこえる人々が長期の避難生活を強いられ、陸地に放出された放射能の影響は人体にとどまらず、土壌や樹木、農産物・果樹・畜産品などへと広がっている。日本中の叡智を集めた除染対策が急がれている。
 これまで一般マスコミは、アメリカ・スリーマイル、旧ソ連・チェルノブイリでの原発事故との比較で喧伝しているが、陸だけでなく海をも汚染したイギリス・セラフィールド(事故当時の地名はウインズケール)の原子炉事故にはほとんど触れてこなかった。先月、日本婦人団体連合会の英国ツアーの一環としてイギリス中西部・カンブリア地方を訪れることができた。


世界最大量のプルトニウムを貯蔵
 大雨で冠水した道路を徐行しながら、湖水地方から出発したバスはセラフィールド核燃料処理施設が見える位置に到着したものの、核兵器がつくられているという理由で施設の中に入ることはできなかった。後日懇談した英国全国女性会議(NAW)のメンバーは施設内に104トンの兵器用プルトニウムが貯蔵されていると証言。国連へのシャドウ・レポートには「世界最大のプルトニウム貯蔵庫」と記されている。やむなくセラフィールドから3キロ離れた隣りのシースケール村に行く。
 旧ウインズケール(現セラフィールド)は、イングランド中西部・アイリッシュ海に面する町。第二次大戦中、TNT爆弾などの砲弾を製造していたが、その後軍事用プルトニウムを生産する核施設だ。1956年、施設に隣接して建てられたコールダーホール原子力発電所で商業用発電を開始(ちなみに日本初の東海村原子炉はこのコールダーホール型)。1957年10月7日~10日、この施設にあった天然ウラン黒鉛減速空気冷却型原子炉(開発初期の核兵器級プルトニウム生産炉)の事故により、セシウム137、ヨウ素131、ストロンチウム89などが大量に放出、沿岸沿いの幅16キロ、長さ50キロ、総面積518平方キロの広大な牧草地が汚染され、牛乳の出荷は一カ月以上にわたって禁止、ヨウ素131の汚染はイギリス本土南部からヨーロッパ大陸北部にまで及んだ。(日本での使用済み核燃料は、フランスのラ・アーグとイギリスのセラフィールドで再処理されてきた。)

image.jpg陸と海を汚染
 1983年11月、イギリスのテレビ局は、その後、シースケール村などセラフィールド周辺の子どもの白血病発生率がイングランド平均の10倍に相当するとのドキュメンタリー番組を報じた。反響の大きさにイギリス保健省は、専門委員会に調査をさせた結果、シ―スケール村での子どもの白血病発生率の大きさは認めつつ、セラフィールドからの放射能が原因とは考えられないという報告(ブラック報告)を発表した。当時のマクミラン政権はこの事故で数十人が白血病で死亡し、白血病発生率が全国平均より高いことに関しては極秘にしていたが、30年間後に公開した。発病した家族が、損害賠償裁判を起こしたものの最終的に敗訴している(1993年)。
 しかしその後、セラフィールド再処理工場から海に流された放射性物質による海洋汚染について、アイリッシュ海をはさんだ対岸のアイルランド(200キロ離れている)の放射線防護研究所は、イギリス側のデータをもとにセラフィールド再処理工場から放出されたセシウム137などによる魚介類や海草の濃度が低下しているとはいえ、堆積物に蓄積されたセシウムの海水への再移行によって汚染し続けていることを公表(1982年~2001年)し、放射能汚染水の海洋投棄の危険性を訴えつづけている。

教訓に学び、原発ゼロの日本へ
 「地球核汚染」(1995年 リベルタ出版 編者・中島篤之助、執筆者・市川富士夫、角田道生、桐生広人、中島篤之助、野口邦和、日高三郎)によれば、1957年末、事故を起こしたイギリス原子力公社(UKAEA)は、事故原因についての詳しい報告書を公表。同じ時期に起きたソ連・チェリャビンスクやアメリカ・ハンフォードのプルトニウム生産炉施設の大事故をそれぞれの政府が長期に秘密にしていたこととの対比で、事故から得られた教訓を紹介している。
 それは、①原子炉による環境汚染事故は現実に起こりうる、②事故の際、環境には放射性ヨウ素・セシウムが放出されやすい、③放射性ヨウ素の影響は体内被曝・食物摂取に注目、④ガンマ線スペクトル分析法は、地表面の汚染や食物など環境資料の迅速測定に非常に有効、⑤大事故の際、全国各地から専門家、医師、放射性測定用自動車、測定器など緊急に動員する体制の必要性、という五点である。
 日本で最初の原子炉(東海村)がウインズケールの施設から生まれたコールダーホール型なら当然事故の教訓についても学ぶべきだったが、「安全神話」につかりきった日本政府や東京電力は、ウインズケールでの悲劇の顧慮さえしなかった。いま対応が緊急に求められているのは、地上の放射能汚染被害対策とあわせて海の汚染の実態を調査し、被害をくいとめること、原発の再稼働を許さないことではないだろうか。
 8月3日付のThe Guardian紙は、セラフィールドのウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(MOX)再処理工場が福島原発事故の帰結として閉鎖される、と報道した。
 現地ガイドの話ではこの施設で2~3人の日本人が働いているという。施設の全景が日本で見た写真とどこか違うと思ってよく観察すると、円筒形の冷却塔(コールダーホール原発の冷却炉)がなくなっている。2007年に解体されていたのだった。

長尾正典   非核の政府を求める大阪の会 常任世話人
                                                     平和問題研究家  (2011,10,12記)



パロマレスへの水爆落下の後処理と核兵器事故

50年前(1966年)の1月17日、地中海上空を飛行中の米爆撃機B 52が空中給油機と衝突、墜落し、搭載していた水爆4個がスペイン南部の漁村パロマレスに落下( 3個が地上に、1個は海中に)。地上に落下した2個は起爆用火薬の爆発でプルトニウムが飛散し、周辺地域を汚染した(海に落下した一個は後に回収された)。米軍は汚染土の一部を回収し持ち帰ったが、スペイン政府は汚染地域を買収し、鉄柵フェンスで封鎖。汚染土壌除去費用と汚染土の引き取りを米政府に求めてきた。
事故から半世紀たった昨年10月、両国政府は汚染土壌処理についての覚書に署名し、土壌を米国内に運搬することとなった(2015年10月21日付「しんぶん赤旗」)。


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